サイト貸し営業に要注意
お金の貸し借りはためらわれますが、自分の懐の痛まないものの貸し借りはつい、心の財布のひもが緩みがちです。とりわけ今回のサイトのディレクトリ貸しは、ほとんど自らにデメリットがないばかりかレンタル代として費用を頂けるので「ラッキー」と思うかもしれません。
しかし、だからこそ用心すべきなのです。こちらはGoogleによって厳しくチェックされているのは言うまでもありません。相手サイトの順位はもちろん。自らのサイトの順位まで下落することになってしまいます。
このような事態を防ぐにはどうすればいいのか、丁寧にご解説致します。
ディレクトリ貸しの実態
中堅~大手サイトに対して、「お金を払うのであなたのサイトに私のサイトを置きたい」という営業が広く行われています。指定コンテンツを置くだけで毎月固定額の報酬という好条件が提示され、検討する会社も多くあるようです。最近はその営業を行う会社もより増え、地方のメディアや地場企業などにも同様の営業が増えています。
検索順位について
2017年頃からGoogleは、アルゴリズムで算定したサイト単位での信頼性・権威性などを検索順位に大変大きく影響させるようになりました。これにより誤った医療情報やフェイクニュース、海賊版の問題はGoogleの検索結果で改善がされました。
しかしです。同時に個人などが発信する有益な情報も検索されづらくなるという弊害が生まれました。
誤った医療情報を流布するWebサイトが表示されづらくなりましたが、闘病記や個人的に良い情報を発信する医師、小規模医院の情報発信も検索結果では表示されづらくなりました。映画・アニメ作品名も良質な小規模サービスや個人のレビューも検索結果で非常に大きく順位を落としました。
ディレクトリ貸しがのさばる背景
Googleがサイト単位の評価傾向を強め、個人運営サイト、小規模サイトが表示されづらくなりました。
医療領域だけではなく財産に関わる領域、アフィリエイト広告が多く行われ上位表示させることで大きな利益をあげられるジャンルも含まれています。
そのため、一部の企業や個人がアフィリエイト広告の収益を上げるため、信頼性を持ったサイトを間借りし自社コンテンツを展開する「寄生」を始めました。
寄生サイトの契約ですが、固定費及びコンテンツから発生した売上の数割を支払う契約が普通です。
支払金額は、企業・サイトによって異なります。高額なケースもよく聞きます。営業を受けたサイトは、一切手を動かさずに最低でも毎月数十万、もしかしたら毎月数百万の売上が入ります。これはとても美味しい条件といえそうですが、当然ながら無料でおいしい話が転がっていわけがありません。
この寄生を受け入れることで、自社サイトの順位も下落したり、WEB上での信頼が損なわれる可能性があるなど大きなデメリットもあるのです。
まとめ
ディレクトリ貸しの危険性についてお伝えいたしました。「使ってないディレクトリを貸すだけでお金が手に入るならまぁいいか」と思ってしまう会社経営者の気持ちも分ります。しかし、そのリスクはとても大きいものです。少しばかりの現金欲しさに大変大きな信用の喪失が待っています。
常識的に考えれば、自サイトのドメインに全く関係ない他社がホームページを作ることが良いことかどうかというのは聞かなくても分かるはずです。
もしディレクトリ貸し営業のメールがあなたの元に届いたら、迷わず削除した方が良いでしょう。
メールには返信する必要もないため、特に支障がなければ迷惑メールフォルダに移動するという方法もおすすめです。自社の社員にも積極的に呼びかけ、被害が0になるように努めましょう。