MUMをGoogle検索に初めて適用
MUMをご存じでしょうか?
MUM は、Multitask Unified Model(マルチタスク ユニファイド モデル)の略です。
Google の言語理解のための新しい技術です。
今年の 5 月、 Google がオンライン開催した Google I/O 2021 で発表されました。
発音は”マム” らしいです。
コロナワクチンに関する情報の精度を向上する目的で、MUM を Google は検索に適用しました。
Google 検索ではMUM の初めての使用事例です。
バリエーションを 数秒で理解
新型コロナウイルス用のワクチンにはさまざまな呼び方があります。
たとえば次のようなワクチン名があります。
- AstraZeneca(アストラゼネカ)
- Moderna(モデルナ)
- Pfizer(ファイザー)
またワクチンに関する検索には多くの異なるクエリが使われます。
日本語であれば、
- 新型ウイルスワクチン
などです。
このような多種多様な名前を理解するには、これまでの従来の技術では数百時間を要していたらしいです。
しかしなんと MUM の技術を利用すると、ワクチン名のバリエーションを数秒で識別できたとのことです。
コロナウイルスのワクチンに関して信頼性の高い情報を検索で提供できるようになったとのことです。
今まで数週間かかった処理を数秒で簡単にこなすことができるようになったのは、MUM の “knowledge transfer skills”(知識伝達スキル)のおかげです。
なんと知識伝達スキルは、とある言語で習得した情報を他の言語にそのまま伝達できます。
つまり言語ごとに学習し直す必要がまったくありません。翻訳機器を必要としません。
言語で得た情報を、何かを介すことなく別の言語へと受け渡すことができる技術です。
言語の壁を超えます。ワクチンに関する信頼性が高い世界中の情報を探せるようになったということです。
MUM は未来の標準技術
Googleは世界中のユーザーに重要な情報を提供することに MUM は役立ったと評価しています。
これは革新的な一歩です。
今後も検索の精度を向上するため、 MUM は大きな役割を果たすだろうと期待されます。
新型コロナウイルス ワクチンに関係する検索への MUM の適用には、Google Japan ブログでも日本語記事が出ています。
英語版のオフィシャルブログとほぼ同じタイミングでの記事公開だったので、Google にとってもそれだけ重大な進展だったということでしょう。